松井冬子展をみてきた

ツルゲネフ

2012年02月26日 22:22

今日は久しぶりに、横浜に行ってきました。

まず、横浜美術館へ。今話題の「松井冬子展」を観に。
松井さんのことは1カ月前くらいに初めて知りました。
すごい美貌だけど、なんか「鎧」をつけているというか、「武装」している感じがする。
ナルシシズムというものを自己表現しているのかな。

行く前に本で代表的な絵は見ていたけれど、やっぱり、紙面で観るのとは違い、ホンモノは迫力が全然違う。
絵画と対峙するのに、精神力と体力が必要だ。
だって、描いている人がものすごいエネルギーかけて描いているんだもの、伝わらなければおかしい。
テクニックや表現力とか、見せ方もあるだろうけれど、マジでやればやはり絵画とか写真とかモノとかには魂が乗り移るものだと思った。
松井さんの作品は内臓が露出しているものとか、グロッキーな面ばかりが取り上げられるけれど、グロくない画も多くあり、それもよかった。
特に下絵、デッサンがたくさん飾られていた。
無知な私はああいう正しい?正統法で描かれたデッサンを観たのも初めて。
東京芸大とか行く人はあのレベルが当たり前なのかもしれないが、個人的にはデッサンの凄さにやられた。
基礎を徹底的にやることの大切さ、みたいなものを感じた。

本当に昨年あたりから、芸術というものに人生で初めて触れていくようになってから、すごく生活が豊かになった気がする。
気がする、というか、確かになった。
今までの私は、美術館=退屈、というイメージしかなく、美術館なんて片手で数えられる程度しか行ったことがなかった。
行っても、皆が立ち止まって見入っているのをしり目に、一人スタスタ速足で通り過ぎるという。
要するに、何も見てなかったし、受け止める感性がなかった。

遅まきながらもそれが少しでも芽生えてきたことが、本当に嬉しく感じる。
部屋には気に行った写真やらポストカードやらを色々飾り、気分によって取り替え生活に彩りを添える、こんな単純なことで生活が豊かになるのだなあと。


横浜美術館で4000円ぶんくらい、ポストカードを買ってしまった・・・
あと、この本も買った。



「超・美術鑑賞術/おカネをめぐる芸術の話」 森村泰昌

帰りの新幹線でだいたい読んでしまった。

美術に触れてこなかった私のような人間は、鑑賞するのになんか構えてしまうというか、芸術は「難しいもの」「崇高なもの」「スバラシイ解釈をしなければ」とカン違いしてしまいがちである。
その思い込みが、この本で、少し楽になった。

森村さんは「美術鑑賞の極意」として、5点挙げている。

1 おもしろければ、(解釈が)間違っていても良い
  おもしろいとは、笑えることではなく「興味をそそられた、感動した何か」のこと。

2 アートはイートである
  毎日食事をとるのと同じくらい、身近で自然なこととして味わえばよい。

3 今も昔も変わらない
  人間が感じる生きる上での喜びや苦しみは、今昔変わらない。

4 美術の歴史とは、数珠つなぎになった贈り物のことである
  過去に生み出された美術作品は、後世に生きる者への贈り物だ。

5 笑っても泣いても、芸術は生まれる
  幸福でも不幸な状態からも、どこからでも芸術は生まれる。

こういう視点を与えてもらうことは、有難いというか、気が楽になりますね。
読んでよかった。



美術館のあとは、山下公園、横浜中華街へ。

油断すると、道端に立っているチャイニーズから「テンシンアマクリ」をねじこめられてしまう。
テンシンアマクリをめぐる攻防が大変であった。




プランターに捨てられまくっているテンシンアマクリの残骸。





今日はくもりっぱなしで、天気がいまいち。

中華街にいったけど、何ひとつ買わずに帰った。
やっぱり人間が多いところは苦手だなー。

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