森村泰昌モリエンナーレ

ツルゲネフ

2012年05月09日 00:28




静岡市美術館に行った。

森村泰昌氏の「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」が開催されている。
たとえば岡本太郎の作品と、それにインスピレーションを受けて創作した自身の作品、というように、ひたすら芸術家の作品と自分の作品を対比させて展示、最終的にこのようにいきついた、という「自分史」のような構成となっている。

この方の本を読んで面白いと思ったので、見に行った次第。

そもそも、誰かの真似すること自体とても難しいと思うし、「所詮パクリじゃん」という冷ややかな見方をする方もいるかもしれないが、これはこれで面白いと思う。
森村さんは、はっきりいってこれだ、という代表的な名作があるわけではないが、「正体不明」「このひと一体なにがしたいの」と思わせるようなところが魅力なんだと思う。
芸術鑑賞に関する本もたくさん出しているが、高い文章力も含めて、マルチな才能を持っている人ですね。




ここ数日は、荒木陽子さんの「愛情生活」を読みなおし。



荒木陽子さんは、写真家アラーキーの奥さんね。既に故人。

この方のエッセイ、本当にすごい。
ヘタなプロより、いやプロより全然面白い。
感性が豊かで、突き抜けていて、ふわふわしているようで芯があり、常に現実と夢のはざまで生きているような感覚。

この本も大好きで、一生かけて何度も読み返すだろう。
人間くさい、率直さ、あけっぴろげな二人(荒木夫妻)の性格はとても痛快で、反面とても切なくもある。

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