カッコウのはなし

カッコウのはなし

*写真は三嶋大社近くで見た花。初めて見たので撮ってみた。



そういえば、kazuhoさんの家の周りでカッコウとウグイスの鳴き声を聞いた。

童謡にもでてくるカッコウのイメージは、ウグイスなどと同様穏やかで平和な田舎の風景を思い起こさせる存在である。でもどういう鳥か、まったく知らなかった。
最近カラスのことを調べて本などを読むうち、他の鳥についても必然的に学習することになった。

カッコウは托卵する(自分たちで一切子育てせず卵を他の鳥に育てさせる)習性がある。
カッコウ目カッコウ科に属するホトトギスも同じく托卵する鳥である。

人間やカラスなどを始めいろんな生物の子育てを見ればわかるように、子育てはしょっちゅう見張りや警戒など緊張を強いられる重労働だ。
だからといって、カッコウのように、それを完全に放棄して他の鳥に任せればいいや、という発想が生まれたこと自体もある意味すごい。


カッコウはまず、托卵する鳥の巣を見つけると、その鳥の卵を一個抜き出し(!)、自分の卵を産みこむ。
カッコウのヒナは、もともとの宿主の鳥より1~2日早く孵化する。
更に産まれたばかりのカッコウのヒナがですよ、他の卵を次々背中にのっけて(自分が落ちないように注意しながら)巣の外に放り出す。
その後たった一匹になったカッコウは涼しい顔をして、義母の世話を一身に受ける。

こんな巧妙な手段でやっているとは。
おそロシアおそロシア・・・

しかしこんなことが続いたら産みつけられる方は絶滅してしまう。
昔カッコウにさんざん託卵されたホオジロは、自分の卵とカッコウの卵を見分ける能力を身につけた。
ちっバレたか、ということでカッコウは託卵する相手を乗り換える。
新たに標的になったオナガという鳥も、次第に卵の違いを識別する能力を身につけている・・。


まさに生存競争と進化。

地球を構成する物質は水素、炭素、窒素、酸素、など非常にシンプルな原子からなるのになんでこんなに生命は多種多様なんだろうと思うことがある。
やはり生き残るためか?
ある種がダメになっても、似た他の種が生き残ればいい。


今この世で学習していることが、知らず知らず遺伝子に組み込まれているとは。
やはり、世の中は自分の力を超えたものばかり。
自分が寝ているとき、呼吸をし続けているのにもびっくりする。
自分を動かしているのは、あくまでも自分自身に間違いはないはずなのに。



タグ :カッコウ

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2010年05月12日 Posted byツルゲネフ at 01:38 │Comments(8)◆好きな生物のこと

この記事へのコメント
生物の原則を考えていると
がん細胞などは、ある矛盾に気がつく
もしかしたらの仮説を立てているのですが
真剣に医療や治療に携わっている方もいるので
どこかでひっそりと誰かと意見交換したいと
思っているのです
Posted by knowhowdonorknowhowdonor at 2010年05月12日 02:47
こんにちは
託卵する鳥って自分では卵をふ化できない体温らしいですね。
なぜ託卵を始めたかは疑問ですが
男も何となく切なくなる事があります。

夫 「オイ長男・二男は俺に似て賢いけれど 三男はチョット抜けてる
おまえ誰かと 浮気なんかしてないだろうな?」

妻 「馬鹿言わないでよ 三男だけは間違いなく あなたの子供よ!」 
Posted by しか225しか225 at 2010年05月12日 11:46
>knowhowdonorさん

がん細胞は要するに細胞の中の遺伝子のコピーミスや欠損と言えると思うのですが、私が思うにむしろ反対に、ヒトの身体を構成している約60兆個もの細胞が日々ミスなく正常に作りかえられていることのほうに、びっくりするのです。
本体は仕事でコピーを取ってもよくミスするのに(笑)、細胞はすさまじい情報量の遺伝子をよくまあ正確にコピーしよるわ、と・・

私事で恐縮ですが最近、祖母ががんで亡くなりましたが発見が末期だったため薬の投与はほとんどせず・・無理な薬の投与がなければさほど苦しくない病気なのだということを知りました。
生物の仕組みはいろいろと奥が深いですね・・!

>しか225さん

こんばんは、体温説も一説あるようですね。あんなおそろしい工作するより体温1~2度あげるほうが楽なんじゃないかと思ってしまいますがどうなんでしょうね。
夫と妻の会話、せつないですね~(笑)
Posted by ツルゲネフツルゲネフ at 2010年05月13日 23:24
こんばんは
ツルゲネフさんの祖母の件ですが、ご愁傷様です。
うちの爺さんも癌で亡くなりました。
親父は、それまで家の家系にぜったい癌になる人はいないって豪語してましたが。。。
それから言わなくなりましたね(笑
癌は生活内容によって誰にでもなる確率はあると思います。
自分はどちらかというと、早死にしたいほうですが。。。( ´艸`)

話はちょっと違いますが、
野菜というのは、育った土地や環境によって、その土地にあったものに変化するようです。
いま大手の種苗会社が交配してつくっている、いわゆるF1という種は別として、固定種という、種とりをして子孫を残す伝統野菜などがあります。
そういった、固定種の種はそだった環境にあった野菜になります。

これは作り話かもしれませんが、そのむかし、大坂へ行った住職が、そこで食べたダイコンが美味しくて、種を持ち帰り、地元の信州で育ててみたそうです。
ですが、ダイコンのように根が生長せず、葉だけが大きくなったそうです。
それが、野沢菜のはじまりだそうです。

なんか生物ってたくさんの不思議でいっぱいですねヽ(´ー`)ノ
Posted by NewイチローNewイチロー at 2010年05月14日 03:34
カッコウ、怖いですね。
”利己的な遺伝子”という本があったのを思い出しました。

ちなみに自分も鳥を飼っています。
えさは水のみで、繁殖できない鳥ですが・・・。
Posted by kt1516kt1516 at 2010年05月14日 09:25
>Newイチローさん

こんばんは、お気づかいありがとうございます。
私も長生きなどしたくはなく、ポックリ早めにいきたいです。なんだかんだいって、寿命があるっていいものですね。何かの間違いで、おまえは500年生きられる、なんて言われたら冗談じゃない!断固拒否します。
人間も鳥も野菜も・・変化していくってことは不思議だしおもしろいですね。

>kt1516さん

こんばんは。
利己的な遺伝子、という本ずっと気になっているのですが分厚いのと値段が高いのでいつも先延ばしにしています・・。
ペットも飼いたいですが今はできないので、ちょこちょこ出かけていってお友達になれたらいいなと。
Posted by ツルゲネフツルゲネフ at 2010年05月15日 01:19
俺は
鶴毛さんとまったく同じことを

「呼吸」を「鼓動」に置き換えて
ずっと昔から考えていました(笑)

人間の卑小さを教えてくれる大自然

大自然から
自分の卑小さを見出すことができる人間

どっちも最高に素晴らしいと思います♪
Posted by まこりんPMまこりんPM at 2010年05月17日 23:33
>まこりんPMさん

そうですね。
大自然、とひとくくりにいっても、その中に無数の生命がいるわけで・・自分もその一部。
自分のはいた二酸化炭素を植物が吸収してるって思うだけでも嬉しくなりますね~。
Posted by ツルゲネフツルゲネフ at 2010年05月20日 00:47
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