はじめての能楽鑑賞!!

今年突如、古典芸能に目覚めたわたし。
ちょうどいいタイミングで、静岡で能楽の舞台がありましたので、観に行ってきました。
古典芸能で能楽、歌舞伎、日舞と挙げましたけど、私が一番はまっているのは能楽で、お能のDVDは毎日のように流しているし、読んだ本も能楽関係のばかり沢山。
また今度、お能の書籍の紹介などもしたいと思います。

今日はグランシップで行われた「静岡能」

はじめての能楽鑑賞!!

着物を召したおばさまたちが多くいる中、私のように若者(?)もけっこう来ていました。
着物の持ち合わせはないけど、日舞を習ったら着物をいくつか買って、こういう場に着物で来たいですね!

今回はチケットを買うのが遅かったので席は2階席でした。
2階席は舞台全体をよく見渡せるけど、能面までよく見えなかったのが残念でした。
今度は特別席に陣取りたい!

舞台に入ってすぐ目についたのは「鏡板(かがみいた)」の松でした。

はじめての能楽鑑賞!!

鏡板の松は、舞台によってさまざまで、その松の違いを楽しむのもお能の楽しみのひとつなんだろうな、と。
改めて、松は日本文化の重要な要素なのだと実感しました。
この松がまた、ライトの当て具合によっていろいろな表情を見せるのです。ここに松が描かれているのとないのとでは、まるっきり舞台の華やかさが違うと思います。


今日の舞台でシテの観世芳伸さんから、はじめ紹介の挨拶があったときに、「静岡能」はこの1年「鬼」をテーマに舞台を数回行ってきたとお話しがありました。今回は、その最終回です。
お能の作品をいろいろみてみると、恨みや悲しみ故に女が「鬼」となる話がとても多くあります。

今回の舞台で上演されたのは
・能 「藤戸」
・狂言「雷」
・仕舞「鉄輪」
・能 「紅葉狩」
の4本立てで、約3時間でした。
普通席は4000円、学生は2000円となっていたので、かなりお得な値段だと思います。


「能 藤戸」
この作品は、平家物語をもとに作られているようです。
佐々木盛綱に子を殺され、遺された母の悲しみを語る場面と、その殺された男が亡霊となって佐々木盛綱の前に現れなぜ自分が殺されなければならなかったのかと、悲しみを語る場面とがあります。最後には盛綱の弔いによって男が成仏します。
はっきり言って、何をしゃべっているのかさっぱりワカラナイのですが、最小限に抑えられた動きや雰囲気で、母の悲しみや嘆きを受け止めることができました。

私が見た作品と云っても今回の舞台とDVDだけですが、私のお気に入りのシーンがもうあって、シテの女が橋懸かりから登場するところと、帰っていくところです。

はじめての能楽鑑賞!!

橋懸かりとは、鏡板の左にある廊下?花道?みたいなところ。
ここを通ることで、「あの世」から「この世」にやってくるみたいな意味もあるようです。
藤戸での、母親が悲しみをまとって橋掛かりを帰っていく場面は一番感動しました。


「狂言 雷」
狂言は、いわゆるお笑いですね。
ドジな雷様が雲の隙間から足を踏み外しておっこちてきて、たまたま近くにいた医者が腰を殴打した雷様に針を打ち込んだり雷様が大袈裟に痛がり転がったり、愉快な作品です。

「仕舞 鉄輪」
仕舞とは、能の舞の一部分だけを抜き出して舞うもの。
鉄輪はちょうどDVDで見ていたので、あの場面のこの舞だ!とわかったのでとてもうれしかった。

「能 紅葉狩」
この作品はとても華やか。
美しい女性が鬼に変身し、武将が鬼退治をする話。
この作品の途中でこれまたお経の最中の如く、眠くなりうつらうつらと・・
お能のスローな展開と笛や太鼓の音って、眠くなるんです。退屈だからじゃなくて、心地よくて眠くなってしまう・・。けっこう周りの人もうつらうつらしてました。



室町時代の文化、今でもこのように受け継がれていることはとても素晴らしいと思います。
日本と云う国の素晴らしさをもっともっと知っていきたいですね。
平成という時代は、果たして何か文化が残せるのでしょうか?


さて、今日ゲットしたお土産品を見ておくんなはれ。


お能のクリアファイル!

はじめての能楽鑑賞!!

めっちゃレアものだぜい!

アップ・・

はじめての能楽鑑賞!!

能面が怖く見られるのは、眉毛がないからですかね?
ほら、眉がないスッピンの女ってこわいじゃん!?
私はかろうじて眉あるけど!
ていうか、額の上〜のほうにある眉毛みたいなやつ、位置的に無理があるやろ!!っとツッコミを入れてしまいたくなるのですが、、、
高眉にお歯黒、なんて女を目の前にしたら今の時代だったら性欲も萎えてしまいそうね。
昔はこれが美しかったんだろうね。

本で読んで初めて知ったけど、能面ってあえて左右非対称に作られているんだそうです。
普通に見たら全然気づかないですよね。
上から見ても下から見ても、左から見ても右から見ても、全部表情が変わるように作られている。
能面=無表情ではない、ということがわかっただけでも新発見でした。


あと、お能のイラストのレターセット!

はじめての能楽鑑賞!!

はじめての能楽鑑賞!!

写真だとちょっといまいちだけど、すご〜い綺麗な色合いの、素敵なレターセット。
挿絵がかわいいでしょ。
これも市販で売ってないから、レアもの!
こんな便箋と封筒で手紙がきたら嬉しくなっちゃう!


来年も静岡能やってくれるのかな?今度は制覇したいです。
あと、三保の松原で行われる薪能もぜひ行きたい。


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2011年01月23日 Posted byツルゲネフ at 22:04 │Comments(6)能楽

この記事へのコメント
能で謡われる?言葉の発音は
とても独特なものがあって

本で読んだものの中にウマいことが書いてありましたが
「キツネ(狐)」が「ッケン。‥ネ」とかになるので
それなりの訓練をしないと
スルスルと意味を理解するっていうわけにはいきませんが

そのハードルの高さがあればこそ
能はその芸術性を現代までにも保持し続けていられる
ともいえるわけで(笑)

これからも
ますます突進して
能の奥深さを心行くまで堪能してくださいネ

三保の薪能までターゲットに入っているなら
今年の夏は
奈良県の天河弁才天へGO♪
みたいな感じでしょうか?(笑)

天河っていえば
いきなり卑近になりますが(汗)
内田康夫の「天河伝説殺人事件」を
市川昆が映画化した際に

道成寺が演じられている舞台上で殺人が行われ
現場の大混乱の中
被害者がつけていた
内側に青酸カリが塗られた「あめふらし」の面(おもて)が
何物かに持ち去られて‥


唯一の物的証拠の所在が分からなくなっていることに
ハッと気付いた
加藤武さん扮する仙波警部補が
血相を変えて
殺人現場の能舞台に走り込んで来るんですが(笑)

それを市川昆監督は
客席にカメラを据えて「引き」のノーカットで撮ってるんです!!

橋掛かりを一目散?に駆け抜けて(!)
鏡板に目もくれずに素通りして(!!)
なにもない舞台中央に
肩幅少し広めに脚を開いて
腰をかがめて両手を斜め下に広げた加藤武さんが
悔しがって1発だけ地団太を踏むと
その音が会場に
「タァン!」
って響いて‥

一呼吸おいての台詞が
たった一言

「ないっっ!!!(能面が)」

イヤァ
市川昆監督
心底面白がって
遊んで撮ってやがるなぁ‥と思って
観ているこっちまで
思わずニヤついてしまったワン・シーンです♪
Posted by まこりんPMまこりんPM at 2011年01月24日 00:40
>まこりんPMさん

これまた気合の入ったコメントですな!
能の発音は確かに外国語を聴いているようなもんでした。私のようなド初心者には、ストーリーが或る程度わかっていないとなかなか理解できないですね。いろんな作品に触れて少しずつわかっていければなと思います。
天河伝説殺人事件の作品のことは存じないですが、想像するにそのシーンはかなりの遊び心が入ってますね。お能について知っていないと、そのシーンの面白さがわからないでしょうねえ。機会があったら見てみます。
Posted by ツルゲネフツルゲネフ at 2011年01月25日 00:57
日本の古典って、一度は見たほうがいい と
言われていますけどまだ見たことがありません
見たいです。
ミュージカルもそういわれて一度見に行きました
能面は親戚のおじさんが彫るのが趣味で
般若やら天狗、ひょっとこなどがなれべられて
子供のころその部屋ではとても眠れなかったです
Posted by knowhowdonorknowhowdonor at 2011年01月25日 01:03
>knowhowdonorさん

こんばんは。
ほんと、私も初めてでしたが一度は見に行った方がいいです!DVDで見るのとは空気感がやはり違います。私は宝塚とか劇団四季も見たこと無かったので、いろいろ舞台を見に行きたいなと思いました。
親戚のおじさまが能面を彫っているとは素晴らしい趣味!
とっても難しそうです。能面展みたいのがあったら、見てみたいですね~
Posted by ツルゲネフツルゲネフ at 2011年01月26日 22:35
面白そうですね。
オイラも興味はあるんですけどね。

また、こちら系の話を聞かせてくださいね。
あ、DVD良かったら貸してくださいませ。
Posted by ポール@ 駅馬車ポール@ 駅馬車 at 2011年01月26日 22:43
>ポールさん

興味がおありですか!
では近々貸し出します!お楽しみに!
Posted by ツルゲネフツルゲネフ at 2011年01月26日 23:16
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    コメント(6)